2017年11月25日土曜日

イワタミンゴ

先月書いた、イワタのフォントセールですが、今回ミンゴシリーズを購入しました。
デザイン系の書体で、M、D、B、Eの4ウエイトがあります。
収容字数が少ないTrueTypeもありますが、
今回はオープンタイプのPro版(15,444字)を購入しました。

こちらのフォント、2015年発売と比較的新しい書体で、
2015年のグッドデザイン賞を受賞しています。
最初にこの書体を見たときに、イワタからもタイポス系の書体が出たんだなー、
くらいにしか思ってなかったのですが(ごめんなさい)キチンと見ると、
タイポスとは違った良さがあります。
形は、細い横棒と太めの縦棒の組み合わせという、
明朝系タイポスの流れを組んでいます。
また、タイポス同様ゴシック体をベースにしつつも、
点など一部に明朝を組み合わせているという、新しさがあります。
イワタフォントらしい上品さと、
スッキリしたモダンなイメージが同居していると思います。
色々な実用書のタイトルに合いそうです。

せっかくなので、手持ちのタイポス系書体と比較してみたいと思います。
(残念ながらタイプバンクの「タイポスオールマイティ」や「漢字タイポス」が無いため、
モリサワパスポートのUDタイポスと比較しています)


















モリサワのフォークや、フォントワークスのスキップに比べると、
遊びが少なく、スッキリした印象があります。
また、タイポスと比べると、一部に明朝を取り入れている分、
少し柔らかい印象もあります。
この4書体の中から、どれを使うのか・・結局は好みなんでしょうね。

さて、タイポスのウエイトを表す58、510などの数字は縦、横の線の太さを表します。
今回取り上げている4書体は全て「横は5」となっており、
以下「8、10、12、15」と縦線の太さの違いがウエイトの違いになっています。
これを踏まえて他を見ると、フォーク、スキップは、
縦だけでなく横も少しずつ太くなっていることに気付きます。
ミンゴはタイポス同様、横線の太さは全部同じですね。
それと、漢字を見ると分かりやすいですが、タイポス、スキップは、
線の端がラッパ状に少しくびれていますが、ミンゴ、フォークは真っ直ぐです。
この辺りは、設計コンセプトの違いが出ていて面白いです。
こういった端々の違いが、フォントの印象を作っているのだと思います。
同じタイポス系とくくりましたが、それぞれ個性がありますね。
タイポスの「な」なんかは、右上の点が真っ直ぐ突き出していて、きりっとした印象。
ミンゴの「な」の点は、右下にてれっと垂れていて、
「ごめんね〜」って謝ってるようにも見えます。

巷でよく見かけるのはモリサワのフォークですが(元祖のタイポス以上に見かけますね)、字形の美しさでは、イワタミンゴ負けてないと思います。
さらに太いHが製作中とのことですが、Mより細いウェイトも欲しいですね。

これから、どしどし使っていきたいと思います。