本文に使用するのは主に「L、M」ですが、Pro版もPr6版も値段が変わらないので、Pr6版を購入するのがお得です(Pro版は15,444字、Pr6版は23,058字)。
イワタ書体OKな印刷所は多くないのですが、すでにいくつか本文で使ったり、書名のタイトルなどで使い始めています。
実際に使ってみた感想ですが、「ゴシック体オールド」という名前から、フトコロが狭く小ぶりな仮名をイメージしてましたが、実際に使ってみると思っていたほどオールドスタイルでもないな、と。
今回は、いくつか手持ちのゴシック体で、横組みベタの本文を組んでみました。
どのように感じましたか?
本来は本の内容に書体のイメージが合っているかどうかが重要なのですが、今回は読みやすいかどうかだけを見ています。
以下、かなり好みが入った私感です。
「中ゴシックBBB」……モリサワの基本書体で、いつもお世話になっているフォントです。
まず気になるのは、少し太いところ。それから、フトコロが狭いせいもあると思いますが、仮名の左右の空間が不揃いに見えます。横組みだと左から右に目線が動くため、引っかかるような感じがします。同じ横組みでも、キャプションには良く使っていて、全然気にならなかったのですが、長文になると引っかかりますね。ただ、縦組みにはかなり合いそうです。
「MB101(+こがな)」全体的に文字間のアキは揃っていて、目線はスムーズに進みます。ただ、漢字も含めて全体的に文字が大きく感じます(本文組み用の専用小仮名を組み合わせているのですが)。セリフもしっかり付いてます。
「ヒラギノ角ゴ」……MB101(+こがな)と似た印象ですが、セリフが無いせいか、スッキリ見えます。仮名を少し小さくすると、さらに読みやすくなりそう。
「小塚ゴシック」……ぎゅうぎゅうに詰まっている感じで、読みづらい・・やはり仮名も漢字も大きいのが、気になるのかな? 文章が短いと気にならないんだけど、長文には、少々つらい。
「筑紫ゴシック」……今回の6つの中では、仮名と漢字のバランスが一番良いと思いました。セリフが大きめで、一つ一つの文字に癖はあるんだけど、跳ねるようなリズムがあって、流れるようにするする読めます。
「イワタゴシック」……ヒラギノ角ゴ、筑紫ゴシックの間くらいでしょうか。粒が揃っていて、セリフはあるのですが控えめでスッキリ。読みやすいです。
上記の結果から(あくまでも好みです)、「ヒラギノ角ゴ」「筑紫ゴシック」「イワタゴシック」をピックアップして、さらに「ヒラギノ角ゴ」「イワタゴシック」については、仮名を少し小さくしてみます。
どうでしょう? 読みやすさがアップしたような感じがしませんか?
違う書体を組み合わせるだけでなく、インデザインだと大きさの調整も簡単にできるので、いいですね。
最後にもう一つ。番外で「游ゴシックM」です。
OS付属のフォントですが、オーソドックスで癖がなく、とても好きな書体です。
游ゴシックは、細いの(L、R)を持っていないので、OS付属のMで組んでいます。Mだと、くどいかと思ったのですが、思ったほどではないですね。すごくバランスがよくて好みです。
セリフも控えめで、流した雰囲気が、イワタゴシックオールドの仮名を小さくしたものに似てますね。
LかR、OSにくっつけてくれないかな・・。
長くなったので、今回はここまで。
機会があれば、縦組みでのテストもやってみたいと思います。