2016年10月21日金曜日

イワタ書体で「限界突破マラソン練習法」

イワタの書体が好きです。
書籍を作っていると、イワタの明朝体で本文組みしたいと思うことが時々あります。この本、リュウミンでもヒラギノでもないな、と。

はんぺんでは、イワタの本文用書体を、単体でいくつか購入しています。(他にもゴシック体など欲しいフォントがあるのですが、なかなか本格的な導入まで至っていません。)
イワタLSTSに入るのが、一番お得だと思うのですが、対応している印刷屋さんが少なくて、踏ん切りがつかない状態です。
先日テレビで、モリサワ書体が全体の8割を占めていると、言ってました。つまり、モリサワパスポートがあれば、殆ど間に合ってしまうと言うことなんでしょうけど、なんとも寂しい状況です。

イワタLETSが始まったのが2005年で、それから10年以上が過ぎました。対応してくれてる印刷所が、もう少し増えてくれてもいいと思うんだけれど。

限界突破マラソン練習法
「サブ4」「サブ3.5」「サブ315」「サブ3」
書き込み式10週間完全メニュー
発行:講談社
定価 : 本体1,200円(税別)

こちらの本では、サブ4から、サブ3までレース前10週間の練習メニューが公開されています。自己ベストを更新しようとする、市民ランナーに向けたトレーニング本です。


先だって発売されたこちらの本では、本文のデザインと本文組み版を担当しました。
本文は1色。縦組み本文部分と、各カテゴリーごとの練習メニュー、付録ページに分かれています。
本文にはイワタの明朝体オールドMを使用しています。
シャープでスッキリ、品があって、長文でも読みやすいですね。




























↓詳細は下記アドレスへ!
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062203098

2016年9月25日日曜日

筑紫C見出ミン-E

8/31にLETSの新書体の先行リリースが始まりました。
LETS契約の皆様は、既にインストールしましたでしょうか?
遅くなりましたが、さわり程度、フォントの確認をしたいと思います。
今回リリースの中で注目したいのは、「筑紫C見出ミン-E」です。
既に「筑紫A見出ミン」「筑紫B見出ミン」と発表されている書体の兄弟になります。
「筑紫A見出ミン」は私も大好きな書体で、何度か本の書名に使ったことがあります。
今回は、この「A」「B」とどういった違いがあるのかをみてみたいと思います。

漢字は共通のデザインなので、割愛。
英数字は、Cだけ新設計です。












まず、横幅から違っています。英文字は少しだけ太めに見えますね。
また、数字は「4、5、7」の横棒に面白い特徴があります。
既存の筑紫A見出しミン、筑紫B見出しミンをベースにしつつも、
全体的に手を入れた感じでしょうか。
欧文のみの書体に負けないこだわりを感じます。


続いて「かな」。
下記はFONTWORKSさんのサイトからの抜粋です。

●筑紫A見出ミン E
仮名は毛筆楷書風で《やや硬質な線質を持ち、活字的な味わい》を表現します。

●筑紫B見出ミン E
仮名は草書・行書風で《流麗な筆運びのテイストを残し古風な味わい》を表現します。

●筑紫C見出ミン E
仮名は金属活字時代の筆運びを踏襲し《言葉に深みを与えつつスタイリッシュさ》を表現します。

特徴の出やすい文字で見比べてみましょう。













Cは、ぐねぐねと力強い印象です。「は」や「な」など、線がつながっている文字もあります。 字面も少し大きく感じます。
名前の通り、こういった太い書体ですので、見出しや書名等に使われることが殆どだと思われます。ですので、どれを選ぶかで、全体の印象も違ってくるかと思います。
似た名前の書体だから、同じ(?)なんて思わず、本のイメージに合った書体をうまく選びたいですね。

先日、モリサワからも新書体のリリースがありました。
さすがモリサワと思わせる大量のリリースでしたが、
こちらも、折を見て紹介したいと思います。

2016年9月10日土曜日

スーパーよさこい2016

2年ぶりに、スーパーよさこいを観に行ってきました。
小学校時代からの友人が出演していまして、
彼と彼の親戚の方々を少し撮影しました。

暑い中、二日間にわたって踊りまくりのですが、
本当に体力があって凄いなと、感心します。
私なんて、撮影だけで、へとへとになってしまいますけど。

みなさま、お疲れ様でした!

2016年8月16日火曜日

オシップ・ザッキン

先月、初めて山梨県に遊びに行ってきました。
あちらこちらと、案内してくれたYさん夫妻ありがとうございました。とても楽しかったです。

















写真はブドウ畑、普通に道路の横に広がってました。THE 山梨って感じ!























上の写真は、ロシア人彫刻家オシップ・ザッキンによる、「野山を歩くファン・ゴッホ」。山梨県立文学館前の公園で見つけました。
存在感がすごいです。世界に3体あるうちの1体ということです。

初めて購入した画集が、ザッキンだったせいか、思い入れがあります。ただ、実物を見たのは、この日が初めてでした。無骨で、味わいがあって、強い主張を感じます。
すごーく良かったです!

美味しい桃、お腹いっぱいいただきました。
山梨、また行きたいです。

2016年7月11日月曜日

バジルの花

一カ月くらい前に買ってきて、ベランダで育てているバジルですが、
すくすく元気に育って、先日花が咲きました。白く小さい、可愛らしい花です。
花が咲くなんて思ってもみなかった分、
テンション上がります。

葉っぱは時々もらって、トマトパスタに入れて食べてますが、
フレッシュバジル、なかなか美味しいですよ。


2016年6月1日水曜日

LETS新書体

つい先日、フォントワークスのLETSより、新しい書体が発表されまして、さっそくネット経由でインストールしてみました。
フォントワークスLETSは、基本的に年に一度の更新なのですが、ときどき先行リリースとして、早めに使用することができます。























今回の注目は「つばめ-R」です。フォントワークスの書体はディスプレイ系の優れた書体が多いのですが、こちらも、コロコロと跳ねるような元気な書体で、コミックのタイトルなどに向いてそうです。フォントワークスらしい書体ですね。
細かな特徴として、角を丸く落としてあります。
少し、クラッシックな趣もあって、、かわいいカラフルな感じの、お菓子のパッケージなんかにも、合いそうです。

2016年5月9日月曜日

フォント実験

先日読んだフォントに関する本で、「日本語書体はひらがなに特徴が出る」ということが、書かれてありました。それはその通りだろうとは思ったのですが、実際どのくらい違いがでるのか、少し実験してみました。

実験に選んだのは、およそ本文用に作られたと思われる細めの明朝体です。うちにある中から各社の7つを選んでみました。
「游明朝R(字游工房)」「イワタ明朝体オールドM(イワタ)」「ヒラギノW2+游築五号かな(SCREENグラフィック〜)」「本明朝新がなL(タイプバンク-旧リョービ)」「筑紫明朝L(フォントワークス)」「竜明L-KS(モリサワ)」「小塚明朝L」。順不同(最後に答えがあります)。
印象が似ている書体を中心に選びましたが、比較のために異色の書体も入れてあります。

比較に使った文章は、宮沢賢治さんの「ポラーノの広場」です。マックを使っている人には、おなじみですが、フォントファイルを選択した際に出てくる、例の文章の続きになります。

まずは、漢字かな混じりの通常の文章。















引いて見た全体の印象では、それぞれ特徴を出しつつも、比較的似た印象の書体が並びます。そんな中一つだけ、仮名の字面が大きい異色の書体も。

続いて、漢字だけを抜き出したもの(漢字少ないです)




















細かく見比べると、違いはありますが(細い太い、字面の大きさ、ウロコのサイズ等に違いがあります)比較的似た印象です。
フォント帳などで見比べても、漢字だけで何の書体か見極めるのは、難しいかと思います。

最後に、かな(約物含む)だけのもの















一つずつに細かい表情の違いがあると感じます。文字の形、字面の大きさ、フトコロの広さなど、どの書体か分からなくても、フォント毎の違いが分かるかと思います。
例えば、寄って細かく見ると、1行目6文字目「か」だけを見ても、右側の点のハネが柔らかい書体、鋭い書体、ハネ自体が無いもの、など、違いが見て取れますね。








寄ったり、引いたりしながら、見比べていると、細かい違いの積み重ねが、全体の印象を作っているのだと感じます。

今回は比較的似た印象の書体を集めましたが、その中でも仮名に個性があるのが分かりました。
恐らく殆どの人が、意識せずに読んでいるのではないかと思う本文書体ですが、セレクトする側としては、本の内容に沿った、その本に一番合うフォントを選んでいきたいと思います。

以下フォント名です
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A 竜明L-KS(モリサワ)
B 本明朝新がなL(タイプバンク-旧リョービ)
C イワタ明朝体オールドM(イワタ)
D ヒラギノW2+游築五号かな(SCREENグラフィック〜)
E 游明朝R(字游工房)
F 筑紫明朝L(フォントワークス)
G 小塚明朝L

游明朝体と、ヒラギノW2は、骨格が似ている書体が多いですね。実は同じ方が書体を作成しています。この2書体、文字の端を尖らせているのか、丸めてあるのかに大きな違いがあるのですが、「游明朝体」→柔らか、「ヒラギノW2」→シャープな印象はそのあたりから来てるのだと思います。

2016年4月4日月曜日

少しフォントの話し

今回はちょっと前の話しです。
いつもモリサワさん、フォントワークスさんのカッコ良い書体にお世話になっているはんぺんデザインですが、かわいらしい書体も大好きです。
中でも七種泰史さんの作る書体は、独創的! バランスも良し! しかも可読性も高い! という三拍子揃ったすてきな書体です。「キリギリス」や「歩明」なんかは様々なところで、良く見かけますよね。
↓こちら、デザインシグナル(七種泰史)さんのHPです。
http://design-signal.co.jp/

使いたい! と思い、好みの書体をいくつか購入したモノの、なかなか使用する機会が無かったのですが、先だってようやく形にすることができました。
















こちらは「なかなか決められない」状況から抜け出すための心理術を解説した本です。考え方を少し変えるだけで、ものの見え方が大きく変わるんだなと、気付かされる内容です。

この本のタイトル部分に使用している書体は「タイプ7」。やや角張った字形で、少し真面目な印象も持ちつつ、組んでみると楽しげな印象になるという、不思議な魅力をもった書体です。
他にも、デザインシグナルさんより購入したものの、まだ使えていない書体もあったりするので、積極的に使っていきたいですね。
というわけで、比較的固いイメージの本が多いはんぺんデザインですが、楽しげな本のご依頼なども、ドシドシお待ちしています。

















こちら、本文書体には遊明朝体のRを使用しています。少し文字間を開けることで、女性向きなすっきり読みやすい感じを狙っています。
本文書体で使用するには、印刷所さんが対応していないなど、使いづらいことが多いのですがこの時はPDF入稿で対応しました。——編集のM様、その節は御迷惑おかけしました。

2016年2月14日日曜日

バックアップの話し

 日々お仕事をしていると、パソコンの中に積み上がっていく大量のデータ……みなさんどのように処理してますでしょうか?
 はんぺんのようなお仕事だと、本が完成したからと言って、データを削除する訳にはいきません。最終データは印刷所等に保存されていることが殆どだと思いますが、時としてうちにあるデータをベースに、作業が行われることがあるかもしれないからです(先だっても、随分前に納品したデータが再度欲しいと連絡がありました)。
 そのごくごくたまにあるかも知れない「いざという時」の為に、データは保存し続けないといけない訳です。今日はそんなデータのバックアップについてです。

 はんぺんで作業に使っているパソコンは、マッキントッシュなのですが、標準で「タイムマシン」という、便利なバックアップ機能があります。設定をしておくと、一日に何度も自動的にバックアップを取ってくれるのです。この「自動で」というのが重要です。面倒だったり、ついうっかり忘れてしまったり、人間誰しもあることなのですが、そんな時に限って、クラッシュしてしまったりして……そのためにも自動バックアップは必要です。


 はんぺんでは、データを救出しやすくするため、外付けのHDDにタイムマシンのバックアップを行っています。こうしておけば、万が一パソコンが起動しなくなっても、外付けHDDを別のパソコンに繋ぐだけで、データを抜き出すことができるからです。
 その安心感もあって、全てのデータをパソコンに入れっぱなしにしていたのですが、徐々にパソコンのHDDが一杯になってきました。
 そこで「タイムマシン」と並行して、他のバックアップ方法を導入することにしました。それが「レイド」です。

 レイドHDDには、1つの筐体の中に複数のHDDが内蔵されていまして、大きく分けて二つの使用方法があります。
1)レイド1 別々のHDDに、自動的に同じデータを保存する(ミラーリングともいう)。
2)レイド0 複数のHDDに同時に書き込むことで、高速なHDDとして使用する。

 今回使用したのは(1)の「レイド1」になります。同じデータを入れたHDDが二台存在することで、一つが壊れても、もう片方から復旧することができるのです。



 ということで、進行中の作業については、タイムマシンでバックアップを行い、作業が終わったデータはレイドHDDに移動させることにしました。

 今回購入したレイドHDDは、4TB×2(合計8TB)で、6万円くらいしました。バックアップにしか使用しないHDDだと考えると少し割高にも感じますが、はんぺんのような小規模事業者が導入するには使いやすいシステムだと思います。
 これでしばらくはHDD容量の不足に悩まされずにすみそうです。

2016年1月19日火曜日

かんたんPerl

本日は、技術評論社様より発売された「かんたんPerl」のご紹介です。
「Perl」というプログラミング言語の入門書なのですが、608ページという大ボリュームです。
ただ中身は難しくなりすぎず、軽快な語り口で読み進めやすいのではないかと思います。値段もこのボリュームとしては、かなり良心的です。
















装丁は他社様でおこない、はんぺんデザインは、本文の作成をさせていただきました。制作を開始したのが一昨年の秋だったので、約1年半のロングスパンになりました。
こういった本格的なプログラム本の作成は初めてだったのですが、良い本に仕上がって、ホッとしています。
技術評論社のY様、色々とありがとうございました。
どうぞ、たくさん売れますように!
















かんたんPerl
A5判並製 定価:2,980円+税 発行:技術評論社様 1/16日発売

2016年1月4日月曜日

あけまして、おめでとうございます

昨年は色々な方々に、大変お世話になり、
本当にありがとうございました。
本年も変わらぬご愛顧をお願いいたします。

今年は、始業から5年目の区切りの年になります。
理想と現実を行ったり来た入りの4年間でしたが、
それはこれからも続いていくんだと思います。
そんな葛藤も持ちつつも、たくさん本が売れることを願って、
今年もお仕事を頑張っていきたいと思います。






















今年の年賀状は、日光東照宮の写真にしました。
最近改装したようで、ぴっかぴかでした。

皆様の一年が、素晴らしい年になりますように!